小論模試、お前もか!

高校の取り組みとして、小論文や推薦入試等の志望理由書について、模試として添削を業者に依頼しているケースがあります。この度、その実態を見たのですが、それが信じられないくらい酷いものでした。

今回みたのは、推薦入試の志望理由書でしたが、私見では、その文書は、細かい書き間違え等を除けば、よくできています。その業界のことをよく調べ、社会人になってからのキャリアまでよく考えています。その生徒さんは医療系の道を志望しているのですが、その分野に詳しい身内に見てもらっても、同意見です。

ところが、採点では、目先の大学で何を学び身につけたいか、という記述が少ない点をしつこく言及し、総合点数は6割程度となっていました。医療系の学部なので、大学で何を学ぶかなどわざわざ書かなくても分かりきっています。それよりも大事なのは、自分が志す分野・領域で何が必要とされているか、そのためにプロフェッショナルとしてどんな素養が必要か、ということを自ら考えているということです。それができていれば、今後どのように学び、過ごしていくべきかは、自ずと決まります。こういったことが、十分に表現できていたので問題はないと思っています。

今回は、採点者が、医療業界や社会人のキャリア形成についての知識・経験が希薄であることが明らかでした。信じられないことに、明らかに生徒が採点者の能力を大きく凌駕しています。

今回のケースでは、高校も被害者になりますね。

どこの業者かは明かしませんが、第一に採点者自身が学習すべきです。その程度で仕事が務まるなら、私もその業者に採用応募してみようかしら。