受かれば良いってもんじゃない

塾内外の様々な人の進路情報を聞きながらよく思うのですが、志なき進学にどれだけの価値があるのでしょうか。

例えば、理数系の道を志望していた高校生が共通テストで失敗し、行ける大学を探して文系の学部学科に入ることがあります。

言語道断。そんな学生に待っているのは、妥協がお似合いの下り坂人生です。

冷静に考えて、そんな中身のない人間に魅力を感じるでしょうか?

それが将来の就職や仕事において、その人の評価に直接的に影響していきます。

進路を曲げなかったとしても、強い意志は必要です。

企業で技術系の仕事の傍ら、採用関係の業務で多くの大学生や大学院生に接してきました。

理系の国公立大の学生が殆どでしたが、私がいた企業の採用に見合う学生はかなり少ないのが実態でした。

接したときにその人から感じられる意志があまりにも希薄であったケースが非常に多かったように思います。

もちろん志だけでその人を評価するわけではありませんが、成績が悪かったり留年したりしても、志があればその人に魅力を感じるものだと思います。

具体的な志でなくても、誰かに喜んでもらいたいとか、社会の役に立ちたいとか、そんな気持ちから起こる行動は、いずれ実を結ぶのではないかと思います。

「努力は実る」といいますが、何も次の春に無理やり中途半端に実らせることがベストとは限りません。

器用さは大事ですが、妥協はその人間を堕落させます。

一生懸命に道を探しながらも安易な方向には逃げず、立ち向かって負ければまた立ち上がり、そうして力を付けて強く生きていくことで、魅力ある人間に育っていくものだと思います。

私が応援したいのはそのような人です。