型を変える

普段、中高生や大学生講師に接していて、とても気になることがあります。それは、問題に直面したときに、問題の「型を変える」ことができないことです。

私なら5秒くらいで解決する問題を、悶々と考え、挙句の果てに放置、といったこともしばしばです。無理やりその型にはめようとして、上手くいかずフリーズ、というケースです。

決して私の頭が良いわけではありません。多くの場合、私はただ、問題の持つ型自体を変えているだけです。

思い返せば、私も20代まではそれが苦手だったように思います。その頃は、会社の先輩や上司にたくさん迷惑を掛けました。

そして、社会全体に目を向けると、多くの日本人が「型を変える」ことが極めて苦手です。決り事やルールを守ることは大切ですが、それらを適切な形に変えていくことも同様に大切です。頑なに決り事やルールを変えないことは、分断を招き、時に破滅を引き寄せます。

日本国憲法も同様です。憲法第96条は何のために存在しているのでしょうか。時代に即して変えていかないのは、私たちの先祖、そして子孫に対する冒涜です。

話を戻しますが、「型を変える」ことができないのは、今の教育制度に根差しています。せっかく大学・大学院まで行っても、就職したら1年目からダメ出しの嵐で、メンタルダウンに追い込まれる若者が大勢います。「型を変える」ことができなければ、本当のマネジメントができなからです。私たちは、答えのない問題にどう対応するか、ということをもっと学ばなければならないし、教育もそれに対応せねばなりません。

日々、個別の事象に対応しながら、時代に即した教育の在り方について模索していきたいと思います。